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EXHIBITIONS

深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」

2021.12.02 - 2022.01.31

深堀隆介 雫 2010

深堀隆介 金魚之間 2005

深堀隆介 丹塗り椀 更紗 2011

深堀隆介 秋敷 2020

Photo by Toshiyuki Okabe

 透明樹脂にアクリル絵具で金魚を描くという、独自の斬新な手法で注目を集める現代美術家・深堀隆介。その展覧会「深堀隆介展『金魚鉢、地球鉢。』」が上野の森美術館で開催される。

 深堀は1973年愛知県生まれ。幼少期に弥富市の金魚を見て育つ。95年愛知県立芸術大学美術学部デザイン・工芸専攻学科卒業。2000年、アーティストとしての活動を悩んでいた時期、放置していた水槽で生き続ける金魚の存在に気づき、その美しさに心打たれ、金魚をモチーフに制作を始める。以後この体験を「金魚救い」と呼び、02年には器の中に樹脂を流し込み、絵具で金魚を描く技法「2.5D Painting」を編み出した。

 極めて独創的な深堀の技法は、器の中に樹脂を流し込み、固まった表面にアクリル絵具で金魚を少しずつ部分的に描いていき、さらにその上から樹脂を重ねるというもの。この作業を繰り返すことにより、絵が重なり合い、まるで生きているかのような金魚が表現され、圧倒的な立体感をもって見る者に迫る。

 深堀は世界的にも高い評価を受け、近年ではライブペインティングやインスタレーションにも力を入れ、表現と活動の幅を広げている。

 本展は、約300点もの深堀作品を展示する、東京の美術館では初めての展覧会。絵画でありながら立体的な躍動感にあふれ、不思議な美しさを湛えた「深堀金魚」の世界を楽しみたい。