EXHIBITIONS

視ることのアレルギー

シエニーチュアン 2分だけでいいのでこの世に1人か2人だけ 2020

シエニーチュアン 剣とレモン 2021

 パープルームギャラリーは、画家・シエニーチュアンの個展「視ることのアレルギー」を開催する。9月29日~10月9日まで。

 シエニーチュアンは1994年生まれ、愛知県出身。アニメをはじとするオタク文化に影響を受ける。2018年にパープルームに加入。自身を「キャラクター」と自認し、シュルレアリスムの作家たちが試みたオートマティスムの手法を引用しつつ、自らが提示する「ポスト・キャラアイコン絵画」を制作している。

「視ることのアレルギー」というタイトルを冠した本展は、1995年にセゾン美術館で開催された「視ることのアレゴリー」を彷彿とさせながら「絵画」とは何かという根本的な問いに立ち返る。特殊な美術の世界のあり方、またアートマーケットの急速な拡大などによる作品批評の揺らぎという現状の認識を前提とし、具体的な実践として企画された。

 そして本展は、パープルームの中心メンバーでもあり、運営や企画に携わってきたシエニーチュアンが、画家としての本格的なスタートを切る展覧会であり、昨今のアートマーケットの現状を鑑みて、展示される作品は原則的に非売とする。

 本展キュレーションの梅津庸一(美術家・パープルーム主宰)は、「本展が絵画作品の価値を保証し、強化し、印象操作する役割を担う『批評』と『絵画』との新しい関係を取り持つ機会になれば」と述べている。なお本展に寄せたシエニーチュアンと梅津のテキスト全文は、パープルームギャラリーのウェブサイトに掲載されている。