EXHIBITIONS
庄司朝美展「2021年の9月」
gallery 21yo-jでは、ペインター・庄司朝美の個展「2021年の9月」を開催する。
庄司は1988年福島県生まれ。多摩美術大学美術研究科絵画専攻版画領域を修了。2019年に「FACE2019」展でグランプリを、翌年には「五島記念文化賞」新人賞を受賞し、22年よりジョージア・トビリシにて1年間の在外研修を予定するなど、注目を集めている。
庄司は15年頃より透明なアクリル板を支持体に、油彩で身体や神話的イメージを描き、また近年は絵画と身体の関係と、そこから立ち現れるイメージについて、大型の絵画インスタレーションなどを展開している。
本展は、感染症対策として各所で見かけるようになったアクリル板という、パンデミックにより社会的な意味が付加された素材をとらえ直すもの。板越しに何と何が隔たっているのか、または隔たっていることにより何が交流可能になるのか、絵画を通して考える試みとなる。
「アクリル板を挟んであちら側とこちら側は隔たっている。にもかかわらず、透明であるためにその壁の存在はぼんやりしている。それはまるでウィルスによって立ち行かなくなった筈の生活が、それまでと変わらずに存在しているように振舞うための透明な目隠しに思える。
描くことは、人間がどうしようもなく愚かであるということを受け入れつつ、だからといって諦めずに生きていくためのよすがである。透明なアクリル板という、有るけれども、無いことにされなければならない矛盾を抱えた素材の上に描くのは、神話的な方法で記述された世界そのものだ。アクリル板のあちら側とこちら側は何かが違っている。その二つの空間の奥行きや広がりを拡張し、物理的な大きさを超えてどこまでも止まることなく、もはや画家の手を離れても尚、鑑賞者の中で描き続けられていくような空間を作りたい(庄司朝美)」。
庄司は1988年福島県生まれ。多摩美術大学美術研究科絵画専攻版画領域を修了。2019年に「FACE2019」展でグランプリを、翌年には「五島記念文化賞」新人賞を受賞し、22年よりジョージア・トビリシにて1年間の在外研修を予定するなど、注目を集めている。
庄司は15年頃より透明なアクリル板を支持体に、油彩で身体や神話的イメージを描き、また近年は絵画と身体の関係と、そこから立ち現れるイメージについて、大型の絵画インスタレーションなどを展開している。
本展は、感染症対策として各所で見かけるようになったアクリル板という、パンデミックにより社会的な意味が付加された素材をとらえ直すもの。板越しに何と何が隔たっているのか、または隔たっていることにより何が交流可能になるのか、絵画を通して考える試みとなる。
「アクリル板を挟んであちら側とこちら側は隔たっている。にもかかわらず、透明であるためにその壁の存在はぼんやりしている。それはまるでウィルスによって立ち行かなくなった筈の生活が、それまでと変わらずに存在しているように振舞うための透明な目隠しに思える。
描くことは、人間がどうしようもなく愚かであるということを受け入れつつ、だからといって諦めずに生きていくためのよすがである。透明なアクリル板という、有るけれども、無いことにされなければならない矛盾を抱えた素材の上に描くのは、神話的な方法で記述された世界そのものだ。アクリル板のあちら側とこちら側は何かが違っている。その二つの空間の奥行きや広がりを拡張し、物理的な大きさを超えてどこまでも止まることなく、もはや画家の手を離れても尚、鑑賞者の中で描き続けられていくような空間を作りたい(庄司朝美)」。