EXHIBITIONS
ボイス+パレルモ
ヨーゼフ・ボイスの日本では約10年ぶりとなる回顧展と、これに学んだブリンキー・パレルモの公立美術館としては初となる展覧会「ボイス+パレルモ」が埼玉県立近代美術館に巡回する。
第二次世界大戦以降のもっとも重要な芸術家のひとり、ヨーゼフ・ボイス(1921〜1986)は、「ほんとうの資本とは人の持つ創造性である」と語り、ひろく社会を彫刻ととらえ社会全体の変革を企てた。本展では、1960年代の最重要作品である《ユーラシアの杖》をはじめ、脂肪やフェルトを用いた作品、「アクション」の映像やドローイングなど、ボイスの作品の造形的な力と芸術的実践にあらためて着目する。
画家のブリンキー・パレルモ(1943〜1977)は、多くの芸術家を育成したことでも知られるボイスに学んだ。この早世の画家が60年代半ばからの短い活動期間に残したささやかで抽象的な作品は、絵画の構成要素を再構築しながら、色彩やかたちの体験を通して私たちの認識や社会的な制度に静かな揺らぎをもたらそうとするものだった。
一見対照的な2人のドイツ人作家の作品は、しかし、ボイスがのちにパレルモを自身にもっとも近い表現者だったと認めたように、芸術を生の営みへと取り戻そうと試みた点で共通していた。
本展は、両者の1960〜70年代の作品を中心に構成し、ボイスとパレルモ、それぞれの特徴に着目。2人の交わりや重なりに各々の実践の潜勢力を探る本展を通じ、社会と芸術のかかわりについて、また芸術の営為とは何かを見つめ直す機会としたい。
第二次世界大戦以降のもっとも重要な芸術家のひとり、ヨーゼフ・ボイス(1921〜1986)は、「ほんとうの資本とは人の持つ創造性である」と語り、ひろく社会を彫刻ととらえ社会全体の変革を企てた。本展では、1960年代の最重要作品である《ユーラシアの杖》をはじめ、脂肪やフェルトを用いた作品、「アクション」の映像やドローイングなど、ボイスの作品の造形的な力と芸術的実践にあらためて着目する。
画家のブリンキー・パレルモ(1943〜1977)は、多くの芸術家を育成したことでも知られるボイスに学んだ。この早世の画家が60年代半ばからの短い活動期間に残したささやかで抽象的な作品は、絵画の構成要素を再構築しながら、色彩やかたちの体験を通して私たちの認識や社会的な制度に静かな揺らぎをもたらそうとするものだった。
一見対照的な2人のドイツ人作家の作品は、しかし、ボイスがのちにパレルモを自身にもっとも近い表現者だったと認めたように、芸術を生の営みへと取り戻そうと試みた点で共通していた。
本展は、両者の1960〜70年代の作品を中心に構成し、ボイスとパレルモ、それぞれの特徴に着目。2人の交わりや重なりに各々の実践の潜勢力を探る本展を通じ、社会と芸術のかかわりについて、また芸術の営為とは何かを見つめ直す機会としたい。