EXHIBITIONS
没後70年 吉田博展
風景画の巨匠として知られる洋画家・吉田博(1876〜1950)。その回顧展「没後70年 吉田博展」が静岡市美術館に巡回する。
1899(明治32)年、吉田は日本で描きためた水彩画を携えて渡米し、自作を販売して渡欧資金をつくるという快挙を成し遂げた。大正後期からは、西洋画の写実的な描写と日本の伝統的な木版技法を統合すべく研究を重ね、生涯に約250種もの木版画を制作。平均して30回以上、時には100回近くもの摺りが重ねられた精緻な作品は世界中で愛され、《瀬戸内海集 光る海》 (1926)などがダイアナ妃の執務室に飾られていたことでも知られている。
若い頃から世界を旅し、日本人ならではの絵画を考え続けた吉田にとって、木版画はひとつの到達点だった。自らが現地に赴いて早描きした写生をもとに、世界百景の制作を夢見て、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの自然風景から、富士や日本アルプスといった日本の山岳、穏やかな瀬戸内海など題材は多岐に及んだ。
本展では後半生に没頭した木版画約200点を中心に、油彩画、水彩画、写生帖、版木をあわせて紹介し、吉田がとらえた美の世界を探訪する。
代表作のひとつ《日本アルプス十二題 劔山の朝》や、初公開となる特大版の版木の展示も。多色摺木版の極致とも言える名作の数々を楽しみたい(会期中、一部展示替えあり)。
1899(明治32)年、吉田は日本で描きためた水彩画を携えて渡米し、自作を販売して渡欧資金をつくるという快挙を成し遂げた。大正後期からは、西洋画の写実的な描写と日本の伝統的な木版技法を統合すべく研究を重ね、生涯に約250種もの木版画を制作。平均して30回以上、時には100回近くもの摺りが重ねられた精緻な作品は世界中で愛され、《瀬戸内海集 光る海》 (1926)などがダイアナ妃の執務室に飾られていたことでも知られている。
若い頃から世界を旅し、日本人ならではの絵画を考え続けた吉田にとって、木版画はひとつの到達点だった。自らが現地に赴いて早描きした写生をもとに、世界百景の制作を夢見て、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの自然風景から、富士や日本アルプスといった日本の山岳、穏やかな瀬戸内海など題材は多岐に及んだ。
本展では後半生に没頭した木版画約200点を中心に、油彩画、水彩画、写生帖、版木をあわせて紹介し、吉田がとらえた美の世界を探訪する。
代表作のひとつ《日本アルプス十二題 劔山の朝》や、初公開となる特大版の版木の展示も。多色摺木版の極致とも言える名作の数々を楽しみたい(会期中、一部展示替えあり)。







