EXHIBITIONS

安藤裕美個展「美しい生活」

Curated by パープルームギャラリー

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 画家・安藤裕美の個展「美しい生活」がMeets by NADiff(WALL GALLERY)で開催される。4月18日まで。

 安藤は1994年東京都生まれ。美術の共同体パープルームの中心メンバーとして、神奈川県・相模原を拠点に活動。これまでパープルームが関わるグループ展や展覧会などに参加してきた。2020年1月に開催された個展「光のサイコロジー」(オンサンデーズ、東京)は好評を博し、今年1月には、話題を呼んだ梅津庸一(パープルーム主宰)の企画・監修による展覧会「絵画の見かた reprise」(√K contemporary、東京)に出展した。

 本展はパープルームギャラリーのキュレーションのもと、3月11日からの4日間に安藤が集中的に描いた「室内画」を展示。梅津は安藤について、また本展に寄せて次のように述べている。

「本展の会場であるMeets by NADiffは渋谷パルコの4階に位置している。いまさら確認するまでもなく渋谷パルコは70年代からセゾンカルチャーを発信する重要な拠点のひとつだった。

そんな背景を持つパルコの中で開催される安藤裕美の個展『美しい生活』ではあるが、かつてのセゾンカルチャーと共振する部分はことのほか少ないように思う。安藤は典型的な郊外都市である神奈川県の相模原を拠点とする美術の運動体『パープルーム』の中心メンバーでもある。1994年に東京に生まれた安藤は2014年にパープルーム予備校1期生としてパープルームに加入後、7年以上にわたりパープルームで活動してきた。ちなみに2016年に東京芸大を中退している。一貫して相模原の風景やパープルームの日常を絵画、アニメーション、漫画を駆使してとらえてきた。安藤の作品からかつての西武美術館や西武劇場で紹介されたようなカルチャーの香りがあまり感じられないのは、大きなグループ企業によって画策された文化事業の影響の及ばない領域で活動してきたとも言えるし、その影響力自体が薄れてきた結果とも言えるかもしれない。

3月17日から始まる本展だが、作品の制作は3月11日から開始された。現在、コロナ禍という状況下で『対人関係』や『室内』の意味が変容しつつある。そんななかで安藤が『密』なコミュニケーションを交わしながら4日という短期間で集中して仕上げた数点の『室内画』にはいったい何が定着しているのだろうか(梅津庸一)」。