EXHIBITIONS

大宮エリー「神聖な場所」

大宮エリー Shasta Cross 2012 ©︎ Ellie Omiya Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

大宮エリー Obsidian Mountain 2012 ©︎ Ellie Omiya Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

大宮エリー おんばしら いち 2020 ©︎ Ellie Omiya Courtesy of Taka Ishii Gallery Photography / Film

 大宮エリーによる写真展「神聖な場所」がタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムで開催中。会期は2月6日まで。
 
 大宮は1975年大阪府生まれ。広告代理店勤務後に独立し、作家業、映画監督、舞台の作演出、ラジオのパーソナリティ、司会業といった多岐にわたる活動を展開。2012年から自身にとって新しい表現領域である美術に取り組み始め、来場者の参加によって作品が完成するといった特徴をもつ体験型の個展を開催してきた。

 また、絵画作品や壁画、写真など自らの芸術的実践領域を次々に広げ、17年には自身初の写真展「スピリットチャージ写真展」をCAPSULE/SUNDAY(東京)にて開催。19年にはヨーロッパやアジアでの個展も実現させるなど、つねに自ら活動の場を広げている。

 創作のインスピレーションは、大地や自然のエネルギーにあると言う大宮。本展では、コロナ禍中に大宮が心の安寧を求めて訪れた諏訪大社(長野)、洞爺湖(北海道)で撮影した新作と、12〜14年の間に各地で撮影した作品群を展示している。

 諏訪大社は諏訪湖のほとりに社を構える、国内最古の神社のひとつ。社殿の四隅に配された御柱(おんばしら)と呼ばれる大木によって、空間に結界を張られると伝わっている。この地を訪れた大宮は、天に伸びるようにまっすぐと力強くそびえ立つ樹木と、そこから発せられる崇高なエネルギーに心惹かれるままにシャッターを切った。
 
 被写体そのものの存在感をとらえた写真群は、長年にわたって厳しい自然のなかで壮麗に生きる命の力強さを伝えるだけでなく、自然と対峙する時に私たちに訪れる、自己を見つめ直す感動や発見をもたらしてくれるだろう。