EXHIBITIONS

ザ・トライアングル

荒木優光:わたしとゾンビ

荒木優光 ザ・トライアングル「荒木優光:わたしとゾンビ」 Photo by Matsumi Takuya

荒木優光 増幅する部屋 2020 Photo by masanobu nishino

荒木優光 Sami Khedi Ra Biot(microcosm) 2019 Photo by Hirabayashi Takeshi

荒木優光 パフォーマンス「ゾンビとサウンドトラック」

 京都市京セラ美術館が新進現代作家の作品を展示する企画展シリーズ「ザ・トライアングル」。第3弾では、「聞く場をつくる」アーティスト・荒木優光による「わたしとゾンビ」展を開催している。

 荒木は1981年山形県生まれ。2005年京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)映像・舞台芸術学科卒業。音の体験やフィールドワークを起点に、独自の音場空間を構築し、シアターピースやインスタレーションとして多岐にわたる作品を発表している。主な公演に、「おじさんと海に行く話」(京都芸術センター講堂、2018)、「増幅する部屋」(愛知県芸術劇場小ホール、2018)。個展に「Acoustic Device 騒音のための5 楽章」(トーキョーワンダーサイト本郷、東京、2016)などがある。

 また、記録にまつわる作業集団「ARCHIVES PAY(アーカイブスペイ)」や、音楽グループ「NEW MANUKE(ニューマヌケ)」に参加し、サウンドデザイナーとしても活動。「音をつくることは、音を聞くことから始まる」と語り、一貫して、音をつくる行為そのものよりも、聞く環境の創造性に重きを置いている。

 荒木は本展においても「聞く場をつくる」ことを主軸に、京都市京セラ美術館の建築的特徴を生かした、音の再生装置としての空間を創出。録音された音そのものの響き、音が再生されるギャラリー内で発生する残響、鑑賞者の身体的移動による音の変化は、共鳴と反響の無数のレイヤーを生み出し、実体をもたない音の存在が立ち現れる。