EXHIBITIONS

映像の美術館#01「岡田裕子展ー誰も来ない展覧会ー」

2020.09.25 - 10.04

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「映像の美術館」は、30年前に閉館した映画館を改修した「元映画館」を会場に、アートヴィデオに焦点を当てた個展形式の展覧会を行う新しいスタイルの美術展。「ArtSticker」と「元映画館」の共同企画で、美術における「映像作品」に光を当てたい、という思いから企画された。

 第1回目では「岡田裕子展ー誰も来ない展覧会ー」を開催。岡田による観客体験型サウンド作品「こんにちは、さようなら、あの日、ここで」シリーズの第2弾である新作《誰も来ない展覧会》が公開される。

 岡田は、恋愛や結婚、出産、子育てなどの実体験を題材に、現代社会へのアイロニーを表現する美術家。映像、写真、絵画、インスタレーション、パフォーマンスなど多様な表現を用いて、恋愛、結婚、出産、子育てといった自らの実体験を通したリアリティのある視点で、現代社会へのメッセージ性の高い作品を発表してきた。また、オルタナティブ人形劇団「劇団★死期」を主宰。家族で結成したユニット「会田家」などの個性豊かなアートプロジェクトにも関わりながら、幅広く活動している。

《誰も来ない展覧会》は、とある時代、感染者隔離のために「元映画館」で暮らすことになったオカダヒロコの1週間の物語。銀幕映画館の趣を残してリノベーションされた「元映画館」を建物ごと味わいながら、ひとりの美術家が作品づくりとともに生活する様子を追体験する作品となっている。

 同作品は「ArtSticker」の音声ガイド機能を表現に用いた新しい試み。鑑賞者はスマートフォンで岡田によるナレーションを聴きながら、体験型の作品で館内を《探検》できる。

 またサウンド作品のほかにも、岡田のこれまでの映像作品から元映画館のイメージに合わせて選んだ、《翳りゆく部屋》(2008)、《Retaurant No Dress Code》(2012)、《EXCERCISES》(2014)の3つを、昭和から残るレトロな大スクリーンで上映する。

 なお「映像の美術館」では「美術館」のようにチケット制を導入。映像作品を上映する場に恵まれないアーティストを支援し、新たなアートの発信の場を展開していくという。