EXHIBITIONS

舘鼻則孝「Dual Dialogue」

2020.09.05 - 10.10

舘鼻則孝 Descending Painting Series 2020 © 2020 NORITAKA TATEHANA K.K.

舘鼻則孝 Descending Painting Series 2020 © 2020 NORITAKA TATEHANA K.K.

舘鼻則孝 Descending Painting Series 2020 © 2020 NORITAKA TATEHANA K.K.

舘鼻則孝 Heel-less Shoes 2020 © 2020 NORITAKA TATEHANA K.K.

 日本独特の文化を現代に再定義し、表現してきたアーティスト・舘鼻則孝の個展がKOSAKU KANECHIKAで開催される。

 舘鼻は1985年東京都生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ、鎌倉で育つ。2010年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業。遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄の制作を行う。国内外の個展多数。また16年にパリのカルティエ現代美術財団で文楽公演を成功させるなど、幅広い活動を展開している。

 KOSAKU KANECHIKAでは、スペースの柿落としとして17年に個展「CAMELLIA FIELDS」を開催。私的記憶の回想から始まり、故郷である鎌倉の原風景と日本独自の死生観を重ね合わせた。

 18年の「Beyond the Vanishing Point」展では、西洋絵画の透視図法における消失点になぞらえて、一対の要素とその境界線を俯瞰した視点から描き、19年の「WOODCUTS」展では、60年代アメリカのミニマリズムにおける概念であるスペシフィック・オブジェクトからの系譜として、五本の直線のみで成り立つ源氏香の図という古典をモチーフに、新たなフォームを構築して彫刻と絵画の関係性について探究した。

 そして本展では、「Dual Dialogue」を主題とした新作の平面作品を中心に展示。コロナ禍での外出自粛期間が契機となり、自分自身との対話、そして過去の日本文化を見直す過程から導かれた要素のペアリングによって成立する新たなフォームを、絵画作品「Duality Painting」シリーズとして、継続的に取り組んできた絵画表現の延長線上に取り入れることに挑戦する。

 日本の歴史、そのなかで育まれてきた独特の美学、文化や思想という豊かな資源を再考することで、新たな視点を見出し、未来への可能性を示す。本展では、コロナ禍をきっかけにより深化した、舘鼻の創作プロセスを経てつくられた作品たちが並ぶ。