EXHIBITIONS

高松市美術館コレクション+(プラス)

身体とムービング

2020.07.23 - 09.06

白髪一雄 天富星撲天雕 1963 尼崎市蔵

近藤亜樹 HOUSE 2017 作家蔵 © Aki Kondo Courtesy of ShugoArts

中園孔二 無題 2012 白木聡・鎌田道世コレクション Photo by Kenji Takahashi © Koji Nakazono Courtesy of Tomio Koyama Gallery

 高松市美術館で年に1度開催される現代美術の展覧会「高松市美術館コレクション+(プラス)」。今回は「身体」と「ムービング」をテーマに、美術館のコレクションとゲストによる作品を組み合わせて紹介する。

 導入となる第一室では、「制作行為における身体と動き」に着目。兵庫県尼崎市所蔵の白髪コレクションを全国の美術館で紹介する「白髪一雄発信プロジェクト」と共同し、足で描くアクション・ペインティングという独創的な制作スタイルで国際的な注目と高い評価を集めた美術家、白髪一雄(1924〜2008)の初期から晩年に至る作品の魅力に迫る。

 また、白髪も参加した「具体美術協会」のリーダー・吉原治良(1905〜1972)の「これまでになかったものを創れ」という教えのもとで行われた、若き美術家たちの実践と探求を、田中敦子(1932〜2005)の《電気服》をはじめとした同館の「具体」コレクションによって振り返る。

 続く二室では、「旅や移動とともにある制作行為」に焦点を当て、絵画や映像作品を展示。アーティストの石田尚志(1972〜)が、イギリスの港町のギャラリーで、窓から刻々と差し込む光と自らの身体が対話するように描いた《REFLECTION》、浜地靖彦と中瀬由央が1993年に結成したアーティスト・ユニット「ログズギャラリー」による、実際のドライブで記録された映像と音響が螺旋的に再構成される《DELAY》のほか、ゲスト作家として画家の近藤亜樹(1987〜)と中園孔二(1989〜2015)を迎える。

「生きる行為と喜び」があふれ、かつて作家が暮らした香川・小豆島にまつわる命を慈しむ近藤の絵画、そして早逝した中園の、高速度に湧くイメージと身体の反応による作品群は見る者に訴え、心を揺さぶる。

 また会期中には、宮崎県を拠点とするコンテンポラリーダンスカンパニー「んまつーポス」によるパフォーマンスとワークショップ「高松くっぴんりお」を実施。本展を通して、美術、ダンス、体育といった異分野を越える体験を楽しむことができる。