GLOBAL POP UNDERGROUND

　PARCO MUSEUM TOKYO（渋谷PARCO4階） は、渋谷のギャラリーNANZUKAのキュレーションによるグループ展「GLOBAL POP UNDERGROUND」を開催。本展は、昨年にニューヨークとロサンゼルスにあるJeffery Deitchギャラリーを巡回した「Tokyo Pop Underground」のコンセプトを踏襲し、同ギャラリーのグローバルなアーティストセレクションを、「Underground」を切り口に再構成する。

　現代における文化言語としての「Underground」は、セックス、パンク、サイバー、サイエンス・フィクション、サイケデリック、ストリート、マンガ・オタクといった、高尚に対する低俗とみなされるあらゆるカウンター領域を巻き込んで、グローバルな規模で見直されつつあるという予兆がある。NANZUKAは「Tokyo Pop Underground」において、日本固有の歴史的な背景を引用しながら、「芸術のための芸術」という枠の外にいる日本人アーティストの文脈をひも解いた。
　
　元来、明治時代までの日本では、およそ芸術の類と人々に考えられていたものは、そのほとんどは実用品であり、大衆文化と融合しながらともに発展。書や屏風、襖絵、茶道具やネゴロなどの工芸品、キーホルダーとしての根付、ポスターやブロマイドとしての浮世絵、そして見世物（＝興行）のためにつくられた生人形（いきにんぎょう）と呼ばれるリアルな細工物などの「創作物」は、元来「ポップ」であり、アカデミックなアートから見て、「アンダーグラウンド」なものにあたる。

　本展は、日本元来の美術の文脈を踏襲し、アートのアカデミズムにおける上位と下位という固定観念へのアンチテーゼとして、グローバル規模で同時多発的に起こっている異端（アウトサイダー）の文脈の爆発を、相互作用的に混在させる。主な参加作家は、田名網敬一、山口はるみ、佐伯俊男、空山基ら。

　また本展には、道を切り開いてきた伝説的アーティストに加えて、若い世代のアーティストも参加。イラストレーション、デザイン、マンガ、ストリートアート、アンダーグラウンドカルチャーと様々なバックグラウンドを持つアーティストたちの作品を平行して展示することで、現在進行形のアートの多様性を体系的に提示する。