EXHIBITIONS

大和路の仏にであう―奈良に生きた写真家・永野太造と仏像写真―

2020.06.24 - 09.27

吉祥天立像、浄瑠璃寺、1962年撮影

無著立像、興福寺、1968年撮影

 半蔵門ミュージアムが特集展示「大和路の仏にであう」を開催。主催は帝塚山大学(奈良市)と半蔵門ミュージアム、奈良県の後援を得て、 写真家・永野太造が撮影した仏像写真を紹介する。

 永野は1922年大阪市生まれ。奈良文化財研究所の調査に同行するなどして、仏像を中心に多くの文化財を撮影し、功績を残した写真家。永野は終戦後、伯父から継いだ「鹿鳴荘」(現・永野鹿鳴荘)を拠点に独学で写真技術を習得し、大和路の仏像を中心に多くの写真を撮り続けた。その作品からは、永野独自の仏像へのまなざしを感じることができる。57年には「世界観光ポスター展」で《奈良大和路仏像ポスター(東大寺月光菩薩像)》が最優秀賞を受賞。70年代に刊行された書籍『奈良六大寺大観』の西大寺、『大和古寺大観』の浄瑠璃寺や不退寺(ともに岩波書店)の写真を担当。1990年、68歳で逝去した。

 帝塚山大学(奈良市)は2015年に永野が撮影した6934枚のガラス乾板を受贈。本展ではここから、50点の高精細デジタル画像による「大和路」の仏像写真が揃う。

 メインの地下展示エリアでは、南都七大寺の仏像を中心に高精細デジタル画像で出力された永野作品を、一部は実際の仏像と同じ大きさで展示。1階ギャラリーでは、近接撮影した仏像の迫力を伝える作品を紹介。そして2階マルチルームでは、永野が撮影した仏像写真を大和路の地域ごとにまとめ、奈良に生きた写真家・永野太造の仏像写真を通して、その目がとらえ続けた「大和路の仏」をたどる。

※本展は6月24日より入場予約制で再開し、会期を9月27日まで延長。来館にあたっての注意事項および最新情報は、公式ウェブサイトにて案内。