EXHIBITIONS

ドラマチック・ラリック

2020.09.12 - 2021.03.21

ルネ・ラリック ダン・ラ・ニュイ 1924 ウォルト社

ルネ・ラリック 香水A(または香水N) 1929 リュシアン・ルロン社

広告「ダン・ラ・ニュイ」 ウォルト社

広告「ラリックの香水とパウダーボックス」 リュシアン・ルロン社

 箱根ラリック美術館の開館15周年と、ルネ・ラリック生誕160年を記念した展覧会「ドラマチック・ラリック」が今秋開催される。

 箱根ラリック美術館は2005年、ガラス工芸家ルネ・ラリック(1860〜1945)の作品を所蔵する国内有数の美術館として箱根・仙石原に開館。アール・ヌーヴォーとアール・デコの時代を駆け抜けたラリックの生涯を、作家もこよなく愛した草花や四季折々が身近に感じられる場で紹介している。

 ラリックの作品のなかでもよく知られているのは、モダンでスタイリッシュなデザインの「香水瓶」。1900年のパリ万博でグランプリを獲得し、独創的なジュエリー作家として不動の地位を築いたラリックが、香水瓶のデザインと製造という新たな創作のジャンルを開拓したのは、香水商フランソワ・コティとの出会いがきっかけであった。

 ラリックは目には見えない香りの魅力やイメージを、花々や真夜中に輝く月といった自然の優美さ、また都会にそびえる高層ビルのスタイリッシュさに例え、瓶の造形やデザインで表現。容器という枠を超え、美しく繊細な意匠に物語(ドラマ)が込められたラリックの香水瓶は、いまも人々を魅了している。

 本展では、ラリックが手がけた香水瓶の数々を、華やかな時代のパリを映したその香水の広告とともに展示。様々な思いを代弁する贈りものとして愛され続ける、ラリックの華麗な香水瓶の世界を楽しみたい。