EXHIBITIONS

メスキータ展

サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ ヤープ・イェスルン・デ・メスキータの肖像 1922 個人蔵 Photo: J&M Zweerts

サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ シマウマ 1918頃 個人蔵 Photo: Martin Wissen Photography,Borken,Germany

サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ うつむく女 1913 個人蔵 Photo: J&M Zweerts

 サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ(1868〜1944)は、19世紀末から20世紀初頭のオランダで活躍した画家、版画家、デザイナー。メスキータは美術学校で多くの学生を指導し、その教え子のひとりとして知られるM.C.エッシャーは、メスキータから大きな影響を受けて、生涯の師として敬愛してやまなかった。

 メスキータ作品の最大の特色は、木版画のシャープで簡潔な表現にある。モダン・デザインの興隆を背景に、日本の浮世絵版画などの影響を取り入れた木版画は、計算し尽くされた構図と、効果的に用いられた明暗のコントラストによって、見る者に強い印象を与える。また、多くの時間を費やして無意識的に描いたドローイングは、シュルレアリスムの自動筆記にも通じる自由な発想に満ちており、メスキータの別の一面を示している。

 ユダヤ人であったことから、家族全員がゲシュタポに逮捕され、アウシュヴィッツで亡くなったメスキータ。エッシャーや友人たちがアトリエに残された膨大な作品の一部を命懸けで守り抜き、戦後に展覧会を開催するなどし、メスキータの名を今日に伝えた。

 本展は、2019年東京ステーションギャラリーにおいて日本で初めての回顧展として開催され、多くの人々に感銘を与えた展覧会の巡回展。メスキータの版画約180点と、油彩や水彩など約60点をあわせた総数約240点が一堂に会す。

※本展は6月1日より時間指定・予約制で再開し、会期を6月27日まで延長(当初の会期は4月4日~6月14日)。来館にあたっての注意事項および最新情報は、公式ウェブサイトにて案内。