EXHIBITIONS

特別展「桜 さくら SAKURA 2020 ―美術館でお花見 ! ―」

2020.07.18 - 09.13

横山大観 山桜 1934(昭和9)年 山種美術館蔵

土田麦僊 大原女 1915(大正4)年 山種美術館蔵

橋本明治 朝陽桜 1970(昭和45)年 山種美術館蔵

菱田春草 桜下美人図 1894(明治27)年 山種美術館蔵

奥村土牛 吉野 1977(昭和52)年 山種美術館蔵

 古くから日本の山野に自生していた桜。中世、近世では貴族、武家などの階級を中心に自邸や名所の桜が鑑賞され、江戸時代には多数の品種が生み出されるとともに、花見が庶民にまで広く浸透した。その後、日本人の桜に対する愛着は一層高まり、華やかさのいっぽうで儚く散る移ろいやすさを併せ持つ桜は、芸術においても古来詩歌に詠まれ、また調度や意匠に取り入れられたほか、絵画の主題とされるなど多彩に表現されていった。

 山種美術館では、日本を象徴する花として愛されてきた、桜を描いた絵画を一堂に公開する展覧会を開催。本展では、日本人の美意識と深く結びついた桜に焦点を当て、同館が所蔵する近代・現代日本画のなかから約50点を紹介する。

 主な出品作は、満開の桜の下に女性たちが集う様子を描いた菱田春草の《桜下美人図》、桜の名所として知られる吉野山(奈良)を題材とした奥村土牛の《吉野》、名木「三春の滝桜」(福島)に取材した橋本明治の《朝陽桜》、『太平記』に見る児島高徳の「忠義の桜」の逸話を描いた橋本雅邦による《児島高徳》など。風俗、名所、物語の主題とした作品から感じられる日本人の美意識、日本文化と、近代・現代の日本画家たちによる多彩な桜の表現を楽しみたい。

※山種美術館は7月18日より再開し、本展の会期を9月13日まで延長して開催(当初の会期は3月14日~5月10日)。来館にあたっての注意事項、最新情報は公式ウェブサイトにて案内。