EXHIBITIONS

まなざしのあとさき

2020.02.15 - 03.29
 作品が生まれ、残っていくこととは何か。はじまりの美術館は、福島県内で気になる表現を調査する「はじまりアーカイブス fukushimafile」で出会った4名のつくり手、大関小夜子、KO☆、鈴木一郎、鈴木盛衛を紹介する。

「磐梯山」「いわきの海」「バラ」など繰り返し同じモチーフを絵具で描き追求してきた大関小夜子、看板や道路標識、町の風景などを描き立体化するKO☆、リハビリをきっかけに絵を始め、独特なタッチで木や人物、風景などを描く鈴木一郎、段ボールを用いてつくった誰かを喜ばせるためのおもちゃや、新聞をもとに模写を描き続けている鈴木盛衛。

 本展に参加する4名は、ほぼ無名に近いつくり手たちで、人知れず福島県内で制作を続けてきたものの、発表の機会がほとんどなく、公募展を除いて美術館での展覧会出展は今回が初めてとなる。

 会場は作品解説文などのキャプションをあえて設置せず、初めて出会うユニークな作品の数々に、じっくり向き合うことができる構成が特徴。本展が、日々生まれる表現について考えるとともに、人々のまなざしを変えるきっかけとなることを願う。