EXHIBITIONS

原口典之「wall to wall Noriyuki Haraguchi」

2020.03.07 - 05.06

原口典之「wall to wall Noriyuki Haraguchi」(Bank Art NYK、2009) 撮影=鈴木理策

 東京・神楽坂に新たなコンテンポラリーアートギャラリー「√K Contemporary(ルートK コンテンポラリー)」がオープン。こけら落としは、廃油を使ったインスタレーションなどで知られるアーティスト・原口典之の個展が開催される。

 原口は1946年神奈川県生まれ、70年日本大学芸術学部美術学科卒業。「もの派」の代表的なアーティストのひとりとして60年代後半から活動を開始。77年にドクメンタ6(ドイツ、カッセル)で日本人作家として初めて選出され、巨大な鉄の枠組みの中を廃油で満たした出品作《オイルプール》で美術界に大きな衝撃を与えた。

 その後も、鉄やポリウレタンといった工業製品に使われる素材を用いた作品や、軍用機のかたちを原寸大で再現した立体作品など、意味や機能をはぎ取りながら、物体あるいは物質そのもののあり様を提示する作品を制作。作品はテート・モダン(イギリス)やニューヨーク近代美術館など世界の主要美術館に収蔵されている。

 本展では、原口の代表作《オイルプール》や、√K Contemporaryの1〜2階に広がる吹き抜けの空間に展開する高さ約4メートルの「円塔」、そして壊されたモルタルに帆布を貼った《wall to wall》など、新作を含む作品約30点を展示。会期中には、舞踏家の田中泯を迎え、原口作品とコラボレーションする全3回のスペシャルイベントも行われる。