EXHIBITIONS

SHIMURAbros「Evacuation」

2020.03.07 - 04.11

SHIMURAbros Installation view of Migration: Speaking Nearby, Photograph: Sarah Kim, Courtesy of the Asia Culture Center, Gwangju, South Korea, 2019

SHIMURAbros Harbor Entrance with Ponton Bridge, Curaçao, Production still from Evacuation, 2019

「SHIMURAbros」は、ユカ(1976年生まれ。多摩美術大学卒業、英国セントラル・セント・マーチンズ大学院修士号取得)とケンタロウ(1979年生まれ。東京工芸大学映像学科卒業)の姉弟によるアーティストユニット。
 
 2人は、平成21年度文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞を受賞し、その後、カンヌおよびベルリン国際映画祭での上映や、国内外の美術館で作品発表を行うなど、活動の場を広げている。2017年には『ArtReview Asia』誌の「A Future Greats」に選出。平成26年度ポーラ美術振興財団在外研究助成を得て拠点をベルリンに移し、現在はオラファー・エリアソンのスタジオに研究員として在籍している。

 本展では、SHIMURAbrosが昨年、ゲーテ・インスティチュートからの助成を得て、カリブ海のキュラソー島で滞在制作をした映像/インスタレーション作品《Evacuation》を発表。昨年に韓国・光州のAsia Culture Centerで行われた展覧会「Migration: Speaking Nearby」での公開後、国内では本展が初展示となる。

《Evacuation》は第二次大戦中のリトアニアで、ナチスに迫害されたユダヤ人に日本通過ビザを発行し、多くの命を救った外交官・杉原千畝のリサーチと、亡命ユダヤ人たちのインタビューに基づくモノローグ。美しい海と平穏な街並みの映像には、杉原とユダヤ人難民の歴史的エピソード、奴隷貿易の拠点として栄えたキュラソー島に伝わるドラムミュージック、またベルリンを拠点に活動するSHIMURAbrosの移民としての経験など、様々な事実と物語、時間軸が絡み合う。