EXHIBITIONS

飯川雄大《デコレータークラブ−ピンクの猫の小林さん−》

並木クリニック
2020.01.31 - 03.01

飯川雄大 デコレータークラブ−ピンクの猫の小林さん− 2020 協賛=株式会社シンロイヒ 協力=並木クリニック 撮影=阪中隆文

飯川雄大 デコレータークラブ−ピンクの猫の小林さん− 2020 協賛=株式会社シンロイヒ 協力=並木クリニック 撮影=阪中隆文

《デコレータークラブ−ピンクの猫の小林さん−》を撮影する様子 撮影=飯川雄大

並木クリニックでの制作風景 撮影=飯川雄大

 アーティスト・飯川雄大による屋外アート作品《デコレータークラブ−ピンクの猫の小林さん−》が、横浜市金沢区並木団地を舞台に展示されている。

 飯川は1981年兵庫県生まれ、同地を拠点に活動。人の認識の不確かさや、社会の中で見逃されがちな事象に注目し、鑑賞者の気づきや能動的な反応を促すような映像、写真、インスタレーションを制作。2015年に黄金町エリアマネジメントセンターにて個展を開催。19年「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館)に出品。20年7月には、ヨコハマトリエンナーレ2020「Afterglow ー光の破片をつかまえる」と、KAAT神奈川芸術劇場でのアトリウム映像プロジェクトへの参加を予定している。

「ピンクの猫の小林さん」は、飯川が2007年から制作を続けている「デコレータークラブ」シリーズに登場する猫の名前。デコレータークラブとは、周囲から身を守るため、藻や小石などを体につけて擬態する蟹のことで、飯川がつくるピンクの猫もまた、周囲の植物や建物に身を潜め、簡単にはその全貌を明かさない。しかし、色鮮やかで愛らしい猫の姿は、鑑賞者を引きつけ、誰かに伝えたいという欲求を誘発する。

 本展示では、日常生活の舞台である団地の風景に突如、巨大なピンクの猫が出現。見慣れた風景を非日常なものへと一変させ、顔の見えない誰かにも簡単に情報を伝達できるようになった現代の情報社会において、大事なことは何かを考えるきっかけを提案する。