武蔵野美術大学が非営利で運営する、東京・馬喰町のgallery αM。創立30周年を迎えた同ギャラリーは、発足当時の「既存のものに替わる新しい可能性」という理念に立ち返り、通常の展覧会と連動して行われる新プロジェクト「αM+」をスタートさせた。
その第1弾となる「“国立奥多摩湖”~もちつもたれつ奥多摩コイン~」では、東京・青梅の旧製材所をシェアアトリエに改装し、同地で展覧会やイベントを開催するアート・コレクティブ「国立奥多摩美術館」を紹介する。会期は2月1日〜3月14日。
本展では、関係性を作っていく道具としてのお金「奥多摩コイン(単位=奥)」をつくり出し、「奥多摩コイン十ヶ条」に賛同・協力する作家たちと「奥多摩経済圏」を形成。お金と価値、そしてそれらと不可分な関係にある美術をテーマとして、国立奥多摩美術館が「奥多摩経済圏」に参加する61名の作家から「奥多摩コイン」で購入収集した「奥多摩コレクション」を中心に展示する。
また、会場では来場者も「奥多摩経済圏参加同意書」に同意し、「奥多摩経済圏」に参加することで、「奥多摩コイン」を1奥=1000円で入手することが可能。1奥=1食、10奥=1日を基本レートとし、「奥多摩経済圏」内で互いの了承のもと労働や技術の交換に用いることができるほか、ある条件のもとで日本円に交換しなおすことや、国立奥多摩美術館から作品を購入することもできる。
彼らと作家たちの信頼の結晶である「奥多摩コレクション」の展示や、来場者との新たな関わりを通じて、お金や価値、美術とは何か?という根源的な問いを投げかける。