EXHIBITIONS

アジア美術からみるLGBTQと多様性社会

ハン・ティ・ファム[ベトナム] 家族を再定義する #1 1990-91 福岡アジア美術館所蔵

石川真生 フィリピン人ダンサー 沖縄県、金武町-3 1988-89 / 2012 福岡アジア美術館所蔵

ニッキー・リー  ヒップホップ・プロジェクト(19)  2001 福岡アジア美術館所蔵

展覧会ポスター

 福岡アジア美術館は福岡市の「パートナーシップ宣誓制度」を記念し、コレクションからLGBTQの当事者の作品と、現代アジアにおける多様性社会のあり方を問う作品を紹介する。

「パートナーシップ宣誓制度」は、典型的とされていない性自認や性的指向を持つマイノリティのパートナー関係を尊重する制度。福岡市は2018年からこの制度を開始し、政令指定都市では札幌に次いで2番目、九州では初めての導入となった。

 本展の前半では、「LGBTQ」という言葉が存在しなかった1930年代の写真作品や、欧米を中心に広がった性的マイノリティの権利を求める運動が活発に行われた70年代に描かれた絵画、そして「LGBTQ」という言葉が世界的に認知された90〜2000年代までの写真や彫刻作品を紹介する。

 後半では、1950年代から欧米を中心に繰り広げられた公民権運動をきっかけとして生まれた、「あらゆる差別や排除を否定し多様性を認め合う社会(多様性社会)」をキーワードに、外国人労働者や外国人花嫁といった、現代社会の周縁に置かれる人々を鮮明に描き出した1980年代から現在までの作品を紹介する。

 異なる時代に活動した性的マイノリティの当事者である美術家たちそれぞれの作品は、「少数派」の存在を理解すると同時に「多数派」とはどういったことなのかについて考えるきっかけとなるだろう。