EXHIBITIONS

ラファエル前派の軌跡展

2019.10.05 - 12.15

ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ ムネーモシューネー(記憶の女神) 1876-81 デラウェア美術館 © Delaware Art Museum, Samuel and Mary R. Bancroft Memorial, 1935

エドワード・バーン=ジョーンズ 慈悲深き騎士 1863 バーミンガム市美術博物館蔵 © Birmingham Museum Trust on behalf of Birmingham City Council

ジョゼフ・マラード・ウィリアム・ターナー《カレの砂浜―引き潮時の餌採り》1830年、ベリ美術館蔵 © Bury Art Museum, Greater Manchester, UK

ジョン・エヴァレット・ミレイ 滝 1853 デラウェア美術館蔵 © Delaware Art Museum, Samuel and Mary R. Bancroft Memorial, 1935

モリス商会 イチゴ泥棒 1883 タリー・ハウス美術館蔵 © Tullie House Museum and Art Gallery, Carlisle, UK

 1848年、英国美術の刷新を目指して結成された「ラファエル前派同盟」。イタリア・ルネサンスの巨匠ラファエロに傾倒するアカデミーに不満を持った若者たちは、ラファエロより前の時代の表現に立ち返るべく「ラファエル前派」を名乗り、伝統に反旗を翻したことで激しく批判された。その窮地を救おうとしたのが、英国の偉大な風景画家ウィリアム・ターナーを支援していた美術評論家のジョン・ラスキンであった。

 自然をありのままに描くことを説いたラスキンの思想は、ダンテ・ガブリエル・ロセッティやジョン・エヴァレット・ミレイ、エドワード・バーン=ジョーンズ、ウィリアム・モリスらラファエル前派の精神的支柱となり、多くの追随者に引き継がれ、アーツ&クラフツ運動の芽生えを促した。
 
 ラスキンの生誕200年を記念した本展では、ラスキンが敬愛したターナーから、ラスキン自身の作品、そしてその影響を受けたラファエル前派の誕生と展開までを一望。ロセッティ、ミレイ、バーン=ジョーンズ、モリスらの絵画や貴重な書籍、家具、ステンドグラス、タピストリーなど約150点を展示し、「ラファエル前派」の誕生から作家たちの共同作業、交友、後世代の展開をたどる。