EXHIBITIONS

イズマイル・バリー「みえないかかわり」

展示風景 Des gestes à peine déposés dans un paysage agité 2018 © Isabelle Arthuis Courtesy of Fondation Hermès

イズマイル・バリー Gesture #3 Tape and sand 2018 © Isabelle Arthuis Courtesy of Fondation Hermès

イズマイル・バリー 左は《Gesture #1》、右は《Gesture #2》(right) Paper and light 2018 © Isabelle Arthuis Courtesy of Fondation Hermès

イズマイル・バリー Apparition Video, 3min 2019 © Ismaïl Bahri Courtesy of the artist

イズマイル・バリー Orientations Video, 20 min 2010 © Ismaïl Bahri, Courtesy of the artist

イズマイル・バリー Nest(research material) Tape and earth, twigs, leaves and pebbles 2019 © Ismaïl Bahri Courtesy of the artist

 パリとチュニス(チュニジア)を拠点に活動するアーティスト、イズマイル・バリーの個展が開催される。

 バリーは1978年チュニス(チュニジア)生まれ。写真や映画の原理を用いた精緻な視覚実験や、最小限の状況設定と身ぶりから啓示的に創出される現象や痕跡などを通じ、目に見える事物や知覚そのものの儚さを問う作品を手がけている。

 くしゃくしゃになった雑誌のページからインクが手に移り、印刷された画像が少しずつ消えていくさま。目に見えないように張られた糸のの上に水滴がつたい、たわみによって糸がかろうじてかたちを現す空間。そこで徐々に水たまりが形成されていく様子など、バリーの静謐な作品は用いられる素材の本質から事物をとらえ、また予期しないアクシデントやディテール、瞬間的な変化などに細やかな注意を向けて、厳密な手順でつくられる。

 本展では、新作の映像を中心に、オブジェ、ドローイングなど、異なる形式の作品で構成されるインスタレーションを発表。光そのものがどのように知覚されるのかを問う試みとして、銀座メゾンエルメスの建築が出現しては消滅する、一種の光学装置へと変貌を遂げる。