EXHIBITIONS

DECODE/出来事と記録-ポスト工業化社会の美術

関根伸夫 位相―大地 1 1986 紙・刷り=岡部徳三 版元=双ギャラリー 埼玉県立近代美術館蔵

 近年国際的に評価が高まる「もの派」のとらえ直しを契機とした、同時代から現在に至るまでの美術状況を再考する展覧会が開催される。

「もの派」は1960年代末から70年代に起きた美術動向。関根伸夫が1968年に発表した、円筒形に掘った穴と同型の土の円柱からなる作品《位相―大地》が出発点とされている。「もの派」に括られる作家たちはそれぞれ共通して、土や木、石などの素材そのものに着目したインスタレーション形式の作品を展開した。
 
 本展覧会に名を連ねるのは、関根のほか、李禹煥菅木志雄、吉田克朗、成田克彦、小清水漸、榎倉康二ら。会場は、「もの派」をとらえ直すべく、その中心作家である関根についての貴重な資料、多摩美術大学アートアーカイヴセンターと埼玉県立近代美術館が共同する「もの派アーカイブ研究」の成果報告、「もの派」の美術状況を「ポスト工業化社会の美術」という広い視野で再考するための写真・映像展示の3つの柱を中心に構成する。

 現存作品ではなく記録写真や資料を軸とし、また「もの派」の前後の時代の動きを組み込んだ新たなアプローチで、「ポスト工業化社会の美術」の見取り図を提起する。