EXHIBITIONS

渡辺豊「Early works」

2019.08.31 - 09.22

渡辺豊 OO-PARTS 4 2008 Photo by Mitsuru Goto Courtesy of the artist and Maki Fine Arts

 現在、ポーラ美術館で開催中の展覧会「シンコペーション : 世紀の巨匠たちと現代アート」(〜12月1日)に参加している画家の渡辺豊。Maki Fine Artsでは、渡辺の2010年以前の初期作品にフォーカスした個展を同時開催する。

 渡辺は1981年東京都生まれ、2007年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。近年の主な個展に、「NAME」(Maki Fine Arts、東京、2018)、「The good old things is new forever」(switch point、東京、2016)などがある。

 現在の多面的な視点と色面が重なり合うように構成された、キュビスム絵画を連想させる作品にたどり着く以前は、記憶にある家屋や比喩的な構造物など「空き地」をモチーフに扱っていた渡辺。18年以降、インターネットの画像検索を用いて、匿名の人物名の検索結果の要素を組み合わせる手法によって、肖像的なイメージを描いている。

 本展で発表する「OO-PARTS」は、未知なるものへの関心と空想的な感覚を取り入れたシリーズ。画面中央で自由自在に展開するカラフルな枝のような物体、水たまり、背景に佇む植物や家屋など、幼少期の曖昧な記憶にあるような心象風景が表現されている。