画家・渡辺豊が挑む新境地。「名前」をテーマに展開されたキュビズム的世界とは

画家・渡辺豊の個展「NAME」が、東京・神楽坂のMaki Fine Artsで開催される。本展では、「名前」に対する渡辺独自の解釈をもとに展開された多面的な肖像画シリーズで構成される。会期は9月8日〜10月7日。

渡辺豊 Fisher 2018

 渡辺豊は1981年東京生まれの画家。2007年に武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修了した。近年のおもな個展に「Melting land」(実家 JIKKA、東京、2015)、「The good old things is new forever」(switch point、東京、2016)、「soft construction」(Maki Fine Arts、2017)などがある。

 今回、東京・神楽坂のMaki Fine Artsで開催される個展「NAME」は、展覧会タイトル通り、「名前」をテーマに展開された肖像画シリーズで構成される。

 日常生活において、名前を書くなどの行為に対して「その文字によって刷り込みのように行動が限定されていく感覚」を受けたという渡辺。本作では、その感覚を出発点として、人物の名前や苗字をインターネットで検索し、検索結果のイメージから再構築した多面的な人物を描きあげている。

 これまで、無機物を絵画制作のモチーフに選んできた渡辺が、その対象を有機的な人物に移した本作。その新しい試みを目撃したい。

編集部

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