EXHIBITIONS
田名網敬一の楽園 空中回廊
1980年代後半から90年代にかけて、田名網敬一はそれまで探求を続けたポップスタイルから脱却し、「生と死」や「夢・記憶」をテーマにした作品を数多く手がけるようになった。無意識に呼び起こされるイメージへ関心を強めた同時代の作品には、戦争により飽和状態に達していた幼少期の記憶や、闘病中に見た幻覚から霊感を得た奇異なモチーフが極彩色で彩られている。
松や鶴といった吉祥のモチーフと、それらを取り巻く不穏な色彩と構図といった相反するものが混在する田名網の作品は、戦時中に作家の脳裏に焼き付いた残酷なイメージとその異様な美しさを、膨大な記憶の集積によって再構築させる試みともいえる。
本展は、川崎市市民ミュージアムが収蔵する田名網作品のうち、現在の創作活動にも通じるコラージュ技法を見ることができる連作ペインティング「夢・四十九夜」(1986)や、「ハリウッド・スターダスト」シリーズ(1986)18点を一挙に公開。70年代後半から90年代にかけて制作されたポスター、版画作品なども展示し、現在の創作活動に至るまで、鮮烈な印象を持ち続ける田名網の「記憶」をたどる。
松や鶴といった吉祥のモチーフと、それらを取り巻く不穏な色彩と構図といった相反するものが混在する田名網の作品は、戦時中に作家の脳裏に焼き付いた残酷なイメージとその異様な美しさを、膨大な記憶の集積によって再構築させる試みともいえる。
本展は、川崎市市民ミュージアムが収蔵する田名網作品のうち、現在の創作活動にも通じるコラージュ技法を見ることができる連作ペインティング「夢・四十九夜」(1986)や、「ハリウッド・スターダスト」シリーズ(1986)18点を一挙に公開。70年代後半から90年代にかけて制作されたポスター、版画作品なども展示し、現在の創作活動に至るまで、鮮烈な印象を持ち続ける田名網の「記憶」をたどる。