EXHIBITIONS

トム・サックス ティーセレモニー

トム・サックス 左は《Bonsai》(2016)、右は《Stupa》(2013) © Tom Sachs Courtesy of Tomio Koyama Gallery

トム・サックス Kabuto  2015 © Tom Sachs Courtesy of Tomio Koyama Gallery

トム・サックス Ishidoro 2015 © Tom Sachs Courtesy of Tomio Koyama Gallery

トム・サックス Pam 2013 © Tom Sachs Courtesy of Tomio Koyama Gallery

トム・サックス Tea House 2011 © Tom Sachs Courtesy of Tomio Koyama Gallery

 手書きのプラダのロゴでつくられた便器や、自作のエルメスの包装紙からなるマクドナルドのバリューセットなど、現代の資本主義社会へのアイロニーとユーモアが共存する独特なユーモアに富んだ作品で知られるアーティスト、トム・サックスの個展が開催される。

 サックスは1966年ニューヨーク生まれ。ロンドンの建築学校とベニントン大学を卒業後、建築家フランク・ゲーリーの事務所で家具制作に携わる。主な展覧会に「Tom Sachs: Tea Ceremony」(イサム・ノグチ美術館、ニューヨーク、2016 / Yerba Buena Center for the Arts、サンフランシスコ、2016-17 / ナッシャー彫刻センター、テキサス、2017-18へ巡回)、「Nutsy's」(グッゲンハイム美術館、ベルリン、2003)ほか、リヨンビエンナーレ(2013)、ミラノのプラダ財団での個展(2006)など世界各地で多数参加。日本では、ハローキティ誕生30周年記念「KittyEX.」(森美術館、東京、2004) で出品した、巨大なキティ像が話題となった。また、ミラノサローネやヴェネチア・ビエンナーレ建築展への出品、ナイキとコラボレーションしたマーズヤードシューズなどでも注目を集めている。

 イサム・ノグチ美術館で好評を博した展覧会に続く本展では、独自のまなざしで日本文化に深いリスペクトを向けるサックスが、本格的なティーセレモニー(茶会、茶道)に取り組む。会場では、日用品や工業用素材でつくられた茶碗、釜、柄杓などの茶道具の数々と、水屋、茶室、池なども配置し、現代の日用品と「茶の湯」が出会う。

 サックスのユニークな発想や視点を通じて、グローバル化時代における日本の伝統文化の意義やその新たな展開の可能性を探る、貴重な機会となるだろう。