EXHIBITIONS

開館30周年記念特別展 美術館の七燈

2019.03.09 - 05.26

広島市現代美術館

オノ・ヨーコ ウィッシュ・ツリー・フォー・ヒロシマ 2011 

アルフレド・ジャー われらの狂気を生き延びる道を教えよ(ヒロシマのために) 1995

飯川雄大 デコレータークラブプロジェクト「衝動とその周辺にあるもの」 2017

 1989年、公立館で国内初の現代美術を専門とする美術館としてオープンした広島市現代美術館。その開館30周年を記念する本展では、これまでに同館が収集してきたコレクション、活動の軌跡、そして基盤である美術館建築を中心に紹介する。

 全館を用いた展示は、行く手を照らす燈になぞらえて、観客・建築・場所・保存・歴史・逸脱・あいだの、7つのキーワードで構成。「建築」では、恒久設置される彫刻作品や館内の意匠が一体となった建築作品としての広島市現代美術館の魅力を探るほか、「歴史」では、作品や資料の収集、展覧会開催といった美術館としての重要な役割の積み重ねに焦点を当てる。

 また「逸脱」では、美術館の歴史や背景を踏まえること、想像によって飛躍させることをテーマに、作家の田村友一郎が新作インスタレーションを発表。最後の章を飾る「あいだ」では、公募展「ゲンビどこでも企画公募」をはじめ、美術館旧来の枠組みを超えたスペースの活用方法や表現に注目する。

 美術館が守るもの、そして美術館を守るものは何か。本展は、平成元年以来の30年にわたる歩みを振り返るとともに、美術館の果たすべき役割と活動を支える諸要素を改めてとらえ直す試みとなる。

 なお展覧会開催に先行して、ウェブサイト限定企画「写真で振り返る30年→現在(いま)」を実施。Instagramの特設アカウントで、これまでに開催された展覧会のプレイバックや、美術館建築などを写真で紹介している。