EXHIBITIONS

辰野登恵子 ON PAPERS : A Retrospective 1969-2012

2019.02.16 - 03.31

辰野登恵子 Oct-20-95 1995 パステル、紙  個人蔵 撮影=岡野圭 © 辰野剛、平出利恵子

 1970年代にグリッドやストライプをモチーフとした版画作品で注目を集め、80年代以降は豊潤な色彩で有機的形象を描く独自の表現を追求した画家・辰野登恵子。理知的で抑制された版画作品とは対照的な、豊かな色彩と有機的な形象による絵画を描き、2014年に逝去するまで自らの作品世界を深化させ続けた。

 油彩作品を本格的に発表し始めてからも、平行してエッチングや木版、リトグラフなどの制作にも取り組んだ辰野。その画業の中でも大型の油彩作品は高い評価を得てきたが、多数のドローイングや様々な版種といった紙の仕事は、作家が広い視野に立って抽象絵画の新たな可能性を模索し続けたことを窺わせる。

 本展では、これまでまとまって展示される機会が少なかった紙の仕事に焦点を当て、油彩作品30点を含む約220点の作品を紹介。新たな視座で、辰野の40余年にわたる軌跡をたどる。