EXHIBITIONS

あざみ野フォト・アニュアル

長島有里枝展

知らない言葉の花の名前 記憶にない風景 わたしの指には読めない本

長島有里枝 シリーズ「本を感じる」より 2018

長島有里枝 シリーズ「本を感じる」より 2018

長島有里枝 索道、ルツェルン、スイス 2007

長島有里枝 山、ルツェルン、スイス 2007

長島有里枝 名札付きの植物 #24 2008

 現代の写真表現を紹介する「あざみ野フォト・アニュアル」。2018年度の企画展では、アイデンティティや家族など、他者との関係性をテーマに写真作品を制作する長島有里枝の個展を開催する。

 長島は1973年東京都生まれ。95年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業、99年にカリフォルニア芸術大学ファインアート科写真専攻修士課程修了。93年、家族とヌードで撮影したセルフ・ポートレイトからなる「アーバナート#2」展でパルコ賞を、2001年に第26回木村伊兵衛写真賞を受賞。10年には『背中の記憶』(講談社)で第26回講談社エッセイ賞を受賞した。近年は写真作品のほか、女性のライフコースに焦点を当てたインスタレーション作品にも取り組む。

 本展は、4世代にわたる家族の記憶を丹念に拾い上げた自伝的小説『背中の記憶』を起点に、「写真」と「テキスト」を従来とは異なる関係性においてとらえようとする試み。『背中の記憶』の通読に応じてくれた全盲の女性との対話から得たインスピレーション、長島がつねに写真表現で感じているいくつかの疑問点などをコンセプトの軸に据え、近作や未発表作、インスタレーション作品により構成される。