EXHIBITIONS

江戸にあそび、街道をゆく―北斎・広重競べ―

和泉市久保惣記念美術館の浮世絵版画コレクションより

2018.09.08 - 10.14

葛飾北斎 冨嶽三十六景 山下白雨 天保2(1831)頃 和泉市久保惣記念美術館蔵

歌川広重 東海道五十三次之内(保永堂版)三島 朝霧 天保4(1833)頃 和泉市久保惣記念美術館蔵

歌川広重 名所江戸百景 鎧の渡し小網町 安政4(1857) 和泉市久保惣記念美術館蔵

葛飾北斎 春興五十三駄之内 三島 享和4(1804) 和泉市久保惣記念美術館蔵

東洲斎写楽 二世瀬川富三郎の大岸蔵人の妻やどり木と中村万世の腰元若草 寛政6(1794) 和泉市久保惣記念美術館蔵

 江戸後期に活躍した2人の天才絵師、葛飾北斎と歌川広重の浮世絵版画を展観し、東海道の旅や江戸の名所・名物見物を追体験する展覧会が開催される。

 浮世絵版画の最高傑作とも称される北斎の「冨嶽三十六景」、そして広重の名を一躍広めた保永堂版「東海道五十三次」。同時代に生きた2人は、ともに風景画の分野で人気を博し、いまでは世界でもっとも有名な浮世絵師として広く知られている。

 両者の機運を高めたのは、江戸の街道や宿場の整備によって物見遊山をする人々が増え、旅の心得や地図、名所案内などの出版が盛んになったこと。この波に乗り、北斎は大胆な構図で様々な角度から望む富士の雄姿をとらえ、広重は繊細な感性で季節の移ろいを叙情豊かに描いた。

 本展では風景画のほか、「花のお江戸」への憧れを掻き立てる名所絵や役者絵、美人画も合わせた約150点を展示。同じテーマを扱いながら、当地の特産品や風俗をユニ一クな視点で描いた北斎と、季節や時の変化を表現した広重、それぞれの魅力に迫る。