EXHIBITIONS

企画展

密やかな美 小村雪岱のすべて

2026.07.11 - 09.23
 埼玉県さいたま市の埼玉県立近代美術館で、企画展「密やかな美 小村雪岱のすべて」が開催されている。会期は9月23日まで。

 小村雪岱(1887〜1940)は、書物の装幀、挿絵、舞台美術、肉筆画など、様々な分野で活動した。本展では、およそ25年間にわたる雪岱の創作活動を編年体を基本に8章に分け、約700点の作品・資料を前後期に分けて紹介する。

 装幀家としてのデビュー作である『日本橋』(泉鏡花著)をはじめ、邦枝完二の小説「おせん」「お傳地獄」の挿絵下図や原画、新聞連載小説「山海評判記」「江戸役者」の挿絵原画など、雪岱の代表作とされる作品を展観している。近年所在が明らかとなった「山海評判記」「江戸役者」の挿絵原画は、それぞれの所蔵先である泉鏡花記念館、東京国立近代美術館以外では初めての出品となっている。

 また、生涯敬愛した小説家・泉鏡花に関する資料のほか、鏡花を慕った鏑木清方や里見弴らの作品、雪岱の日本画制作に大きな影響を与えた松岡映丘の作品も公開。映丘とその門下との合作である《十二ヶ月図連幅》《草枕絵巻》は、雪岱の個展で初めて展示している。さらに、雪岱が大きな影響を受けた鈴木春信、初代歌川国貞の浮世絵の優品もあわせて紹介する。

 肉筆画、装幀、挿絵原画、舞台装置に関わる資料などを通して、雪岱の多彩な仕事を見ることができる。