EXHIBITIONS

村田峰紀「private speech」

2026.02.14 - 02.28
 gallery Nで、村田峰紀による個展「private speech」が開催されている。

 村田峰紀は1979年群馬県生まれ。2005年に多摩美術大学美術学部彫刻学科を卒業。前橋市在住。原初的な行為で「かく」ことの語源にある4つの要素を、意識=書く、結果=描く、行為=掻く、潜在=欠くと捉えてドローイング制作やパフォーマンスを行なってきた。Ongoing Collective、Responding performance initiative、身体の人たちに在籍し活動している。

 本展に寄せて、村田は次のように述べている。

 「私はパフォーマンスアーティストです。パフォーマンスとは、自身の身体を通じて思考し、反応する行為です。身体感覚を研ぎ澄ませながら、目の前にある不自由な対象や状況に対し、ドローイングやパフォーマンスを通じて泥臭く解きほぐしていきます。

 私のドローイングは、幼少期から抱えてきた言葉への強いコンプレックスから生まれました。どもりや滑舌の悪さによって言葉を話すことに自信を持てず、声変わりをきっかけに、私の声はさらに聞き取りにくいものになっていきました。伝えきれない言葉が私の内部にどんどん蓄積し、それは日本語では言い表すことのできないものでした。

 文字を間違えたとき、咄嗟に書いてしまう『グルグル』とした線や、文字をかき消す行為、そうした線の中に、既存の言葉ではない『言葉』が潜んでいるのではないかと感じています。目を閉じ、自分の内面と向き合い、身体に身を委ねながら、ただひたすらかき続ける。それこそが、私にとっての『言葉』なのです。かくのと同時に『ミンミン』と得体の知れない声が出てしまいます。蓄積されていた言葉なのか、対象にかきながら語りかけてもいるようです。 私の作品で多用しているボールペンは、本来、言葉を書くための道具として使われています。筆圧が非常に強いため、描かれた対象は引っ掻かれたように傷つき、欠け、痕跡を残します。当然ながら、ボールペン自体も摩耗し、やがて壊れて使えなくなります。そしてまた、新しいボールペンへと取り替えかき続けます。

 私は、誰も見ていないアトリエでもパフォーマンスをしています。その行為の中で、目を閉じて描き(無意識)、目を開いて(意識)し、また閉じて(無意識)でかく、ということを何度も繰り返しています。そうして痕跡を蓄積させることで、行為や言葉を画面に定着させているのです。意識=書く、結果=描く、行為=掻く、潜在=欠くというように言葉の多義性を捉えておりドローイング制作をしています」(本展ウェブサイトより)。