EXHIBITIONS

特別展

イワタルリ展 息づくガラス

2025.12.13 - 2026.02.15

イワタルリ No.220402(部分) 2022 作家蔵

 北海道立近代美術館で、特別展「イワタルリ展 息づくガラス」が開催されている。

 イワタルリは1951年東京都生まれ。ガラス作家。祖父は日本のガラス工芸の先駆者である岩田藤七、父・久利、母・糸子もガラス作家という環境で育った。ガラス専攻がまだない東京藝術大学および大学院で鋳金を学び、大学院修了後にガラス造形家として活動を始めた。

 本展で紹介されるイワタルリの作品は、ガラスがそこに「在る」という存在感を重視し、素材の特性や可能性を追究して制作されてきた。今回の展示では、作品を大きく「立体作品」と「工芸作品」のふたつに分けて展示している。

 立体作品は、キャスト(鋳造)の技法による淡い緑色を帯びたガラスと、黒い鉄などの異素材を組み合わせた作品で構成される。ガラスの塊による造形を通して、ガラスという素材の特性を示す。工芸作品は宙吹きの技法を用いて制作され、自在な形と、透明、赤、黒といった色彩をもつ肉厚の器で構成される。本展では、こうした創作の両面からイワタルリの造形作品を紹介する。