スズキエイミ「Pale Weight」

　Galerie GEEK/ARTで、スズキエイミによる新作展「Pale Weight」が開催されている。

　スズキエイミは、これまで「生や偏見、祈り」をテーマに、古典美術にコラージュとペインティングを施した作品を手がけてきた。その活動は「NEWoMan YOKOHAMA」でのアートディレクション、桐野夏生『オパールの炎』の装丁、雑誌『装苑』での起用などのファッションデザインと多岐にわたり、いまや日本、フランスなどを中心とした国内外でファンを魅了している。名画の中の人体への解剖学的な好奇心のもと、内臓や骨をモチーフに描かれるモンタージュは、古典芸術を前提としながら「芸術のための芸術」と向き合う試みを行なっているという。

　本展では、「Polyphony（多声性）ーあなたがもし、私だったらー」をテーマに、心と身体に焦点を当てた作品群を展示。作品を通じて、観者それぞれが自分と他者との違いに気づき、多様性を受け入れることで「共生とは何か」を問いかける。

　今回の展示では、ギリシャ神話の「三美神」（カリス）を中心に、重厚な大理石へプリントを試みた新作《She,Still Life I,II,III》をはじめ、「心臓」をひとつの建物のように構造分解し、木材にプリントした《Serene Operation I,II》などの作品群を紹介する。

　また、本展では、作品に加えて、スズキのジュエリーブランド「eimiess」の販売も行われている。ジャンルを超えて表現し続けるスズキの多彩な作品群を堪能してほしい。