EXHIBITIONS

嶋本昭三展 「あ」反骨の美学

2025.02.28 - 05.19

展示風景

 YUMEKOUBOU GALLERY KYOTOで、嶋本昭三による個展「『あ』反骨の美学」が開催されている。

 嶋本昭三(1928〜2013)は大阪府生まれ。1947年に師となる吉原治良に出会い、1954年に具体美術協会(1954-1972)の結成に参加。グループ名「具体」の命名、機関紙『具体』の制作、展覧会の企画や若手の育成など初期メンバーとしてグループの芸術活動に貢献。嶋本の代表的な作品は、大砲状の金属の筒に絵具の弾を入れアセチレンガスを爆発させ着色する大砲絵画、絵具の入ったガラス瓶をキャンバスに叩きつけて制作する瓶投げ絵画、紙製のキャンバスに穴をあけたシリーズ作品、鑑賞者が参加して成立する身体で感じる作品など、アクションによる偶然性や破壊、時間性といったものを作品に持ち込み、つねに実験的な創作に取り組む。そこには、戦中の抑圧的な全体主義からの解放や戦後社会に対する抗いなどが反映されている。

 本展は、昨年YUMEKOUBOUのパリギャラリーで開催された同タイトルの日本巡回展だ。具体美術協会の創設メンバーであり、国際的に活躍した嶋本の代表作である「瓶投げ」「穴あき」「うずまき」などのほかに、版画をベースとした作品や絶筆の作品などを展覧している。