EXHIBITIONS

桑田卓郎+く「窯上げうどん」

Gallery & Restaurant 舞台裏
2025.01.25 - 03.16

©︎Atsushi Harata

 麻布台ヒルズにあるGallery & Restaurant 舞台裏で「桑田卓郎+く『窯上げうどん』」が開催される。
 
 桑田卓郎は1981年広島県生まれ。多治見市の1300年以上続く美濃焼きの伝統を基盤としつつ、その造形に現代的な再解釈を加えた独自の表現で注目を集める作家だ。茶陶文化の伝統技法を用いつつ、大胆な模様や質感を追求した創造性に富む桑田の作品は、世界各地のパブリックコレクションに収蔵されているほか、コムデギャルソンでの展示、TOD’S やLOEWE 、CFCL などファッションブランドとのコラボレーションでも知られる。
 
 本展は、桑田が以前に釉薬を混ぜる為にうどんを捏ねる機械を取り入れたことをきっかけに、スタジオを訪れたゲストにうどんを振る舞うようになったことから着想されたもの。陶芸に使用する道具と調理器具のイメージを重ね合わせ、うどんを振舞うパフォーマンスも兼ねている。また、桑田の代表作である梅花皮(表面の釉薬が縮れ、その下の素地が見えることで凸作られる凸凹模様を指す)の技法を用いた作品に加え、原点といえる「食」に関する手仕事のクラフトラインの「く」による道具も展示。

 会期中には、実際に桑田の作品を使って食事をする体験を実施予定。桑田が自身の多治見のアトリエで来客に振る舞うことがあるという「うどん」を、Gallery & Restaurant 舞台裏の箱石和行シェフがアレンジして提供する。観客が作品に積極的に介入してゆく食の実践は、陶芸と私たちの身体が交差する地平をさぐるインタラクティブな試みとなる。