EXHIBITIONS

企画展 「第1回 MIMOCA EYE / ミモカアイ」大賞受賞記念

西條茜展 ダブル・タッチ

西條茜 惑星 2024年 撮影:来田猛

 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で「企画展『第1回 MIMOCA EYE / ミモカアイ』大賞受賞記念 西條茜展 ダブル・タッチ」が開催される。

 西條茜は1989年生まれ。2014年に京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程工芸専攻陶磁器分野を修了した。13年には、ロンドンロイヤルカレッジオブアートへ交換留学。20年度には、京都市芸術文化特別奨励者に認定された。

 近年は陶磁器の特徴ともいえる内部の空洞と表面の艶やかな質感から「身体性」をキーワードに、陶彫作品およびそれらに息や声を吹き込むパフォーマンスを発表。いっぽうで世界各地にある窯元などに滞在し、地元の伝説や史実にもとづいた作品も制作している。

 2022年より、若いアーティストが独自の才能をはばたかせる場として始まった公募展「MIMOCA EYE / ミモカアイ」。本展は、その第1回大賞受賞者である西條の作品を紹介する。本展覧会では陶の作品のほか、制作において息を吹き込む過程のあるガラス作品も発表し、作品と身体との境界をさらに考察する。

 また、手で直接粘土に触れ、その動きに応じてかたちを成し表面に手跡が残る陶芸を、西條は自身の身体を実感する行為であり、世界とのコミュニケーションの実践と考えている。作品を介したパフォーマンスでは運搬という行為を新しく取り入れ、作品と身体、身体相互、さらに身体とそれを取り巻く環境はどのようなコミュニケーションを取り得るのかを探る。