EXHIBITIONS

國府理、佐藤稜、豊島鉄也「鳥の代わりに飛ぶもの」

はしっこ
2024.11.29 - 12.20

國府理 Natural Powered Vehicle 2005 自動車、セイル 700 × 130 × 410 cm Photo:Seiji Toyonaga, Courtesy of ARTCOURT Gallery

佐藤稜 Flying bird in space 2022 高度経済成長期の車を模したプラモデル、ジャンクパーツなど 25 × 60 × 55 cm Photo:Mayu nakamura

豊島鉄也 産業道路を通って警察署の方へ曲がった先、病院へつづくまがりくねった急な坂道 2023
石膏、サンダーバード模型 28 × 17 × 25 cm Photo:Mayu nakamura

 実験スペース はしっこで、國府理、佐藤稜、豊島鉄也による展覧会「鳥の代わりに飛ぶもの」が開催されている。

 本展は、美術家・國府理(こくふ・おさむ)の制作と作品を考え、各自の解釈のもとに継承していくことを念頭に企画。企画者の佐藤稜と豊島鉄也は國府とは約20歳の年齢差がある。両作家は、日本大学芸術学部美術学科に在籍した学生時代、美術学科彫刻コースが企画した國府の個展「KOKUFUMOBIL 回転する歯車は 並行世界の夢を見るか」(チカエコダ、日本大学芸術学部江古田校舎、2011)作品に触れ、本人と会い、その制作思考を自身の制作と重ねてきた。

 國府の代名詞といえる装置的な動く彫刻を二人が制作しているわけではないが、國府の思考した自然環境と内燃機関=一見相反するふたつのパワーへの積極的な眼差しが二人の作品には強く反映されている。

 本展は、没後10年となる國府理の制作をドローイングと映像で紹介。あわせて本展を企画した佐藤と豊島の新作を展示することで、國府理という稀有な才能を回顧ではなく、次世代へのメッセージとして展開する機会となる。