純粋を追い求めてービュフェの進化の軌跡をたどる

　ベルナール・ビュフェ美術館で「企画展 純粋を追い求めてービュフェの進化の軌跡をたどる」が開催される。

　ベルナール・ビュフェ（1928〜99）は、10代後半から画家として頭角をあらわし、20歳で批評家賞を受賞するなど、若くしてフランス美術界の寵児となった。強く鋭い描線や抑制のきいた色調は、ビュフェならではの作風として称賛されている。しかしそのいっぽうで、明るい色をもちいた室内画や静物画も制作するようになり、ひとつの枠に収まりきらない芸術を自由に展開。

　本展では、章ごとにビュフェにとって転機となった年をとりあげ、各時期の表現の広がりを見ていく。また1952年から毎年パリで開催したテーマ展にも注目し、主題やモティーフの変遷もたどる。

　ビュフェはテーマをつねに変えていたが、それでも彼の芸術には通底するものを見て取ることができる。本展は、生涯を通じて「純粋」に描くことを追求したビュフェが追い求めた造形世界を、約80点の作品で探っていく展覧会となっている。