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EXHIBITIONS

「死を肖像する」鄭梨愛 × 金セッピョル~文化人類学とアートの協働がひらく地平

UMU
2024.09.14 - 09.23
 UMUで「『死を肖像する』鄭梨愛 × 金セッピョル~文化人類学とアートの協働がひらく地平」が開催される。

 本展は、アーティストの鄭梨愛と文化人類学者の金セッピョルが「死そのもの」についてともに考え、対話する過程で生まれた。この展示を企画した金は、死と葬儀をテーマに研究を進めるなかで、現代社会において死が、個人の「人生の終わり」としてとらえられがちな風潮に違和感を抱く。

 鄭は日本で生まれ育ち、小中高ともに朝鮮学校を卒業、朝鮮大学校にて美術を学ぶ。在学時から、日本の美術界へアプローチする外へ向けた活動を友人たちと積極的に行うなか、鄭は自身の「在日朝鮮人4世」というバックグラウンドを必然的に意識していくようになる。現在は、そういった自分のルーツを見据えた映像、インスタレーション作品などを中心に制作しているが、活動初期は自身の祖父を対象に絵画作品を制作。

 長年疎遠であった祖母が亡くなって恐怖と後悔を覚えたこと、そして祖母の葬式で再会した祖父の老いに衝撃を受けたことで、祖父の肖像画を描くようになる。このような経緯で2011年から、祖父の死後の2016年頃まで制作された作品を、本展ではおもに展示する。また、金は文化人類学の視点からこれらの作品をとらえ直し、言葉を寄せる。

 この二人の協働を通して「死そのもの」に向けて思考の拡張を試み、本展示では人々の生に内在する死について考え、感覚することを目指す。