EXHIBITIONS

ジャヌアリオ・ジャノ「Otherness: An Inventory of Desire(The Sunset)」

Gallery & Restaurant 舞台裏
2024.09.07 - 10.14

メインヴィジュアル

 Gallery & Restaurant 舞台裏で、アンゴラ生まれのアーティスト、ジャヌアリオ・ジャノの日本初個展「Otherness: An Inventory of Desire(The Sunset)」が開催される。

 ジャノは1979年アンゴラ生まれ。被植民地として長く支配を受けてきたアンゴラでは、独立後も2002年まで内戦が続いた。ジャノの作品には、このような歴史のなかで生まれた様々な記憶、民族の移動や文化的な同化といったテーマが反映されている。

 本展のタイトル「Otherness: An Inventory of Desire(The Sunset)」を直訳すると、「他者性: 欲望の目録(夕日)」という意味になる。これは、個人のアイデンティティや欲望が、他者による介入と複雑な社会的記憶なしには成立し得ないことを物語っている。この展示の中心的な作品《Pano Pano》(2024)と《Mponda(MW001)》(2024)は、アンゴラにおける布や織物の文化を参照している。

「Pano」はアンゴラにおける布を、「Mponda」はおもに西アンゴラのアンブンドゥ人が個人的な思い出の詰まったものを入れるために使用するベルト状の木綿の袋を指す言葉。アーティストは、アンゴラの歴史を象徴する素材をメディウムとしてもちい、大胆に再構成することで、新たな生命を吹き込んでいる。これらのオブジェは空間のなかに意図的に配置されており、鑑賞者は作品と空間の双方に織り込まれた物語のなかに身を置くことになる。

 本展は、これまで長きにわたって周縁化されてきたアフリカ現代美術の現在を紹介するとともに、グローバル・ノース中心主義を内包する現代芸術シーンを相対的に見つめなおすための一石を投じる試みでもある。