ピイプル01　波をみる

　長亭GALLERYで、伊澤真利奈、泉里歩、大﨑土夢、島田明洋、田中良太、真部知胤による展覧会「ピイプル01　波をみる」が開催されている。キュレーションは、原島春七が担当。

　ピイプルは、田中良太が作家を招聘し活動を開始したプロジェクトだ。以下、本展のステートメントとなる。

「ある人はアトリエで夜な夜なキャンバスに向きあい、ある人は仕事が片付いて家路についてから食事を取らずに筆を握る。これらは想像でしかないが、特別なことではないだろう。波のような複雑さを持って繰り返される日常のなか、腹も減り、ストレスも抱え、身体も壊す。それでもなお、アトリエや作業部屋に篭るその姿にはある種の敬虔さを感じざるをえない。

　人々は、生活のあらゆる場面で集団として配慮を持った立ち振る舞いを見せる。それはこのような作品展でも同じように起こることだ。個という断片を保ちながら、集団という不確かな輪郭の周辺で絶えず出入りを繰り返す。それによって都度生じていく変化をとらえらえる暇もなく、一人ひとりの持つ敬虔さはその輪郭の内側で溺れ始める。

　ピイプルたちは、信頼のもとに集まった。互いが干渉しあうことを了承し、作家は作品をキュレーターに委ね、キュレーターは責任を負う。それは必ずしも善意のみによるものでなく、個々人が波のかたちを保つための手段として成り立った関係である。私たちは『ピイプル』という輪郭の周辺であらゆる変質をとらえることを試み、ときに配慮を劣後しながら和やかに作品を並べる」（展覧会ウェブサイトより）。