原 vol.1

　京都四条河原町にある宿泊型ミュージアム BnA Alter Museumでは、開館５周年を記念した展覧会シリーズ「原 vol.1」が開催されている。

「原」（はら）とは、同館のコレクション作品であり常設展として宿泊体験を提供するアートルームが、何によって / どのように組成されているかを示す言葉"みなもと"であると同時に、アートルームをこれまでと異なるパースペクティブでとらえるための"原っぱ"を意味している。

　草木や水溜り、石や虫など生態系として複雑に折り重なり、切り取る視点によって様々に変化する多元的かつ複数の中心を持つ原っぱとして、アートルームそして BnA Alter Museum をとらえ直すこと意図している。

　また、「原」では、コラボレーターと言われるアートルームでメインクレジットされているアーティストに紐付き制作協力や作品提供を行うアーティストやデザイナーたちを、開館5周年という機会に改めて紹介する展覧会シリーズ（全3回）となっている。

　さらに本展では、複数のアートルームに紐付くコラボレーターたちがグループ展の形式で作品を展示することで、コラボレーター同士のコラボレーションを誘発。いままで見えていたアートルームという中心から少し視点をずらし、その周囲に複数あるさらなる中心をとらえることで、豊かな創作の生態系を可視化する。

　第1回目となる「原 vol.1」では、図像同士の関係性と境界そのものに着目し図と地を共振させる絵画制作を行う山本理恵子、作品と状況とが切り離せないものを制作するクリエイティブファームNEW DOMAINより近藤ほの花+長尾崇弘、日常のあらゆる場面で生と死と笑いを収集する写真家・佐伯慎亮、回路設計から音響合成まで行うプログラマー新美太基といった4組のコラボレーターたちによる作品をBnA Alter Museum 1 / 2Fで展示。