EXHIBITIONS
彫刻の森美術館 開館55周年記念
舟越桂 森へ行く日
彫刻の森美術館で「舟越桂 森へ行く日」が開催される。
自然のなかで人々と芸術家が交流する場として誕生した日本で初めての野外彫刻美術館である「彫刻の森美術館」。作品は芸術家の言葉であると考える同館が、周年を記念した展覧会にと2023年3月に舟越桂に依頼したことから本展の企画が始まり準備が進められてきたが、2024年3月29日に舟越桂が逝去。本展は、最期まで本展の実現を望み、励んだ作家本人の意思と、遺族の意向を尊重し開催される。
遠くを見つめるまなざしを持った静かな佇まいの人物像で知られる彫刻家・舟越桂。本展では、生涯を通じて人間とは何かを問い続けた彫刻家の作品の変遷とその創作の源となる視線に迫る。
聖母子像や性別を感じさせない静謐な空気をまとった人物像は、その後、人間という存在の大きさや不思議さを象徴する山のようなイメージの人物像や、「祈り」の思いや行為に人間の姿を与えたという考えに至った「水に映る月蝕」(2004)、そして東日本大震災がきっかけとなって制作された「海にとどく手」(2016)、さらに両性具有の身体と長い耳を持った、人間を見つづける存在としての「スフィンクス」へたどり着く。一貫して人間の存在をテーマにしながら、様々に変容を遂げる作品を舟越は自ら「心象人物」と名付けた。
具体的には目に見えない、しかし現実に人間がその回りに抱える問題、祈りや思いなどに人間の姿を与えながら、人間について考えることで舟越は「人は皆それぞれ、たった一度の人生を生きていく初めての存在なのだ」ということを証明するための物語を紡ぎ出そうとしていたのではないだろうか。
本展は、自分と出会う場、自分と向きあう時間を、来場者へと届ける機会となる。
自然のなかで人々と芸術家が交流する場として誕生した日本で初めての野外彫刻美術館である「彫刻の森美術館」。作品は芸術家の言葉であると考える同館が、周年を記念した展覧会にと2023年3月に舟越桂に依頼したことから本展の企画が始まり準備が進められてきたが、2024年3月29日に舟越桂が逝去。本展は、最期まで本展の実現を望み、励んだ作家本人の意思と、遺族の意向を尊重し開催される。
遠くを見つめるまなざしを持った静かな佇まいの人物像で知られる彫刻家・舟越桂。本展では、生涯を通じて人間とは何かを問い続けた彫刻家の作品の変遷とその創作の源となる視線に迫る。
聖母子像や性別を感じさせない静謐な空気をまとった人物像は、その後、人間という存在の大きさや不思議さを象徴する山のようなイメージの人物像や、「祈り」の思いや行為に人間の姿を与えたという考えに至った「水に映る月蝕」(2004)、そして東日本大震災がきっかけとなって制作された「海にとどく手」(2016)、さらに両性具有の身体と長い耳を持った、人間を見つづける存在としての「スフィンクス」へたどり着く。一貫して人間の存在をテーマにしながら、様々に変容を遂げる作品を舟越は自ら「心象人物」と名付けた。
具体的には目に見えない、しかし現実に人間がその回りに抱える問題、祈りや思いなどに人間の姿を与えながら、人間について考えることで舟越は「人は皆それぞれ、たった一度の人生を生きていく初めての存在なのだ」ということを証明するための物語を紡ぎ出そうとしていたのではないだろうか。
本展は、自分と出会う場、自分と向きあう時間を、来場者へと届ける機会となる。