築山有城「Exhibition 2024」

　TEZUKAYAMA GALLERYで、彫刻家・築山有城による個展「Exhibition 2024」が開催されている。

　1976年に兵庫県神戸市に生まれた築山は、2000年に京都造形芸術大学芸術学部美術科彫刻コースを卒業。現在に至るまで出身地である神戸に拠点を置き、関西を中心に精力的に活動。2023年6月からはアートと社会のより良い関係をつくるべく活動している神戸のアーティストコミュニティ C.A.P.（芸術と計画会議）の代表も務めている。

　築山が扱う素材は金属や樹脂、木、塗料など多岐にわたるが、制作の出発点はつねに素材そのものにあるという。築山自身が「遊び」と呼ぶ実験を繰り返すなかから素材固有の特性をとらえ、それを作品主題の一部とする点において、築山の作品制作には一貫した姿勢が感じられる。

　本展では、絵画教室で受け取った石膏像と本物の牛の頭骨を中心に、築山がそれにまつわる考察を行う。現実性と実在性、西洋人と東洋人、紀元前の彫刻家と現代の石膏職人、そして亡骸、相互作用を通じて、「築山のリアリティ」が形成され、新たな意味や価値を生み出す。