EXHIBITIONS

川崎市市制100周年記念展

生命の交歓 岡本太郎の食

2024.04.27 - 07.07

メインビジュアル

岡本太郎 いるか漁 1959年12月2日

岡本太郎 歓喜 1977

 川崎市岡本太郎美術館で、川崎市市制100周年を記念した展覧会「生命の交歓 岡本太郎の食」が開催されている。

 岡本太郎にとって「食」とは、味わうことや、栄養をとるということだけではなく、食べる者と食べられる者との生命と生命のぶつかりあいであり、闘って手に入れた生命を自身の身体に取り込む喜びであると考えた。また、芸術は生活と一体であるべきと考えた岡本は、食卓などの家具やティーポットやグラスといった食器など、食の場で使われ生活にいろどりを与える作品の数々を制作している。

 さらに岡本は、書を絵付けした大皿や顔のある茶器など、岡本独自の感性とユーモアあふれる陶芸作品も手がけていた。ほかにも岡本は、国内外の食文化や食を支える市場に興味を抱き、取材に訪れる先々の市場に出かけ、そこに住む人々の暮らしや活気あふれる市場の様子などを数多く撮影した。

 本展では「食」を切り口として、油彩、彫刻、陶器、インダストリアルデザイン、写真など、岡本の多彩な作品をその言葉とともに紹介。さらに、両親の岡本一平・かの子と過ごした少年時代から、青年期を過ごしたパリ、そして戦後から晩年まで、岡本の食にまつわる資料を展示する。人生、芸術、そして食べることもまた闘いだと考えていた岡本を「食」という視点から読み解く試みとなる。