EXHIBITIONS

企画展

アブソリュート・チェアーズ

2024.02.17 - 05.12

宮永愛子 waiting for awakening -chair- 2017 写真:木奥恵三
©️ MIYANAGA Aiko Courtesy of Mizuma Art Gallery「宮永愛子:漕法」展示風景(高松市美術館、2019)

 埼玉県立近代美術館で、企画展「アブソリュート・チェアーズ」が開催される。

 椅子は多くのデザイナーや建築家の創造性を刺激する絶対的なテーマであると同時に、アーティストにとっても魅力的なモチーフとなってきた。玉座のように権威の象徴となることもあれば、車椅子のように身体の補助となることもあり、電気椅子のように死や暴力とも無縁ではない。この上なく身近でありながら、社会や身体との密接な関わりのなかで幅広い意味や象徴性をまとった椅子は、まさに究極の日用品といえるだろう。

 アーティストたちは椅子の持つ意味をとらえ、作品を通じて社会のなかの不和や矛盾、個人的な記憶や他者との関係性などを浮かび上がらせてきた。アートのなかの椅子は、日常で使う椅子にはない極端なあり方、逸脱したあり方によって、私たちの思考に揺さぶりをかける。

 本展は、主に戦後から現代までの美術作品における椅子の表現に着目し椅子をめぐる国内外の平面・立体・映像作品約70点を紹介して、アートのなかの椅子の機能や含意を読み解くものとなっている。